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はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

建築の変態本

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またしてもステキな建築写真集を手に入れたので、取り急ぎメモを残しておく。変態(アブノーマル)ではなく、変態(トランスフォームやメタモルフォーゼ)の話。

この写真集に登場する近代建築物は、シェルター、キオスク、戸建て住宅、教会、団地、高層ビル、ホールなどなど、とりとめもなく多岐にわたっている。撮影された国を見ても、ポーランド、ラトビア、ウクライナ、グルジア、イスラエル、レバノン、フランス、アメリカなどなど、東欧が若干多いが統一感はない。建築家や建設年代を見ても、やはりバラバラ。このため、この写真集は断片的に見ても全く理解できない。

鑑賞のポイントは、各ページを連続して眺めること。なぜなら、建築物の全体あるいは部分を構成している「フォルム」が連鎖しているから。たとえば、円形のキャノピー→厚みを持った屋根→ドーム屋根→円盤のような建築→クレーター状の施設→球体シェルの屋根→ドーム型の美術館→・・・といった具合に。これが延々と続くのだ。

建築物が持つ意味合いを完全にはぎ取った状態で、次々と形態のエレメントが変容していくダイナミズムがたまらない。いわば「風が吹けば桶屋が儲かる」的な壮大な連想ゲームであり、少々エグくてせわしない変奏曲でもある。

引用している形態はその対象ごとに異なるので、ときどき瞬間的な理解が追いつかずに戸惑うこともあるし、そうきたか!とびっくりすることもある。いずれにしても写真や建築物そのものの魅力度がすごく高いので、いろんなテンポで眺め続けることができるし、ページが進んでいくうちにテンションもどんどん上がる。ちなみに、この連鎖は最後で「閉じる」ので、そこでも感動できるよ。

まあ何を言っているのかわからないよね。Amazonの「なか見!検索」では、サムネイルが掲載されているインデックスのページを見ることができるので、まずはそこから変態っぷりをチラ見してみよう。

Modern Forms: A Subjective Atlas of 20th-Century Architecture

Modern Forms: A Subjective Atlas of 20th-Century Architecture