はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

滝になった川

f:id:hachim:20161002212042j:plain

先週末、常願寺川の上流から河口までを2日間かけて丁寧にたどる旅を実践してきた。ここ数年で何度も訪れているエリアだけど、はじめての体験がいくつか実現できた。まず、常願寺川の源流の一つである称名川が弥陀ヶ原台地を一気に350mも流れ落ちる「称名滝」をはじめて訪問した。その際に、滅多に出現しない落差500mの「ハンノキ滝」を拝めたことは、たいへんラッキーだった。

さらに、1858(安政5)年の飛越大地震の後に山体崩壊を起こしたとされる「鳶山」の姿は、雲がかかっていたためにこれまで見ることができなかった。それが今回、上の写真の奥にあるように、その斜面が崩壊地の様相であることが確認できた。

源流の崩壊地とセットで見る常願寺川は、階段状に幾重にも重なる人工の滝で構成されている。砂防施設の滝がなければ、土砂の流速や流量が大きくなりすぎて、とてつもない大災害が頻発することは一目瞭然だ。お雇い外国人のデ・レーケが言ったとか言わなかったとか「これは川ではない、滝だ!!」という言い回し、この風景を見ると世界でも類例がない急流河川を的確に言い表している言葉であることが実感できるね。

超巨大モノリス

f:id:hachim:20160928095402j:plain

チューリッヒでは様々な場所からやたらでかいコンクリートの箱がチラチラ見えて、なんとなく気になった。古い鉄道高架橋の桁下空間利用事例を見に行ったら、たまたまこれが通りの奥にチラリと見えたので、おそるおそる近づいてみた。

窓がないのでオフィスビルではなさそうだし、プロポーションやスケールからすると煙突や換気塔でもなさそう。真新しいコンクリートのように見える表面は上下の2段に分節化され、上部の南面にはソーラーパネルが貼られており、下部にはリブが配置されて一部には足場らしきものが取り付けられている。周辺エリアは古い産業施設が多く残されており、一部は再開発の対象になっているようだ。目をこらして見ると、壁面に「Kornhaus」の文字がある。もしかして「Corn」かなと思いつつも、現地ではよくわからないままだった。しかし、やたらと存在感があり、そこはかとないカッコよさが漂っていることだけはわかった。

帰国後にネットで調べてみると、竣工直前の穀物サイロであることが判明した。高さ40mの先代に比べ、これはなんと118mとのこと。チューリッヒの都市景観を破壊するようなインパクトがある物体も、市民の直接投票によって合意を得ていることに驚きを禁じ得ない。スイスにおける大きな事業は、どこかの市場や競技場などとは意志決定のプロセスがだいぶ異なり、市民の責任が高い次元で要求されるもんなあ。いろいろ考えさせられるね。

 参考|Swissmill, Das neue GetreidesiloHarder Haas Partner AG, Kornhaus Swissmill

つぶれたおにぎり

f:id:hachim:20160925180335j:plain

先日訪れた栃木県鹿沼市にて、たまたまバスの車窓から見た案内標識。国道121号、国道293号、国道352号の3つが重複していることで、路線番号を示す通称「おにぎり」が6連になっている。これって珍しいんじゃないだろうか。少なくとも、僕ははじめて見た。ムリして串刺しにしたもんだから、ギュギュッと圧縮されて変形しちゃっているし。