はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

2011-02-01から1ヶ月間の記事一覧

巻き取り橋

マッチ棒のような頭を持つコンクリート柱に取り付けられた円柱をぐるぐる回して、そこから吊されたワイヤーを巻き取り、桁をリフトアップするという可動歩道橋、Coupure橋。ベルギーのブルッヘ(ブルージュ)という街にあり、スイスの構造家のユルグ・コンツ…

読み解きの必要性

ベルギーのKortrijkという街にあるローラン・ネイが構造デザインを手がけた吊橋、college橋。繊細で危うい緊張感を感じて、美しい女性を見かけたときのようにかなりときめいた。 この橋は、滑らかなS字を描く桁が下がろうとしたり浮き上がろうとしたりねじれ…

クノッケの白い板

日曜日はベルギーを拠点に活動している構造デザイナーのローラン・ネイ氏へのインタビューに同席させていただく機会を得て、ブリュッセルに行ってきた。氏が考える構造・造形・環境・施工などを材料に、どのようなアプローチで料理を仕上げていくのかという…

色とりどりの箱

高度に規格化されたコンテナには地域性など全くないと思っていたのだが、これは妙にオランダっぽく感じた。オレンジがベース色になっているからかな。コンテナの集合ってやっぱりかわいい。

本気の港クルーズ

ヨーロッパ最大の港をめぐるクルーズ(Spido:Rotterdam Harbour Tour)は、かなり本気だった。ただでさえ船からの視線は面白いというのに、船舶、橋梁、コンテナ、浮きドック、ガントリークレーン、倉庫などの港湾アイテムを惜しみなく披露してくれる。エキ…

暮らしを守るということ

日本から友人が来てくれたので、オランダそのものを体験しようと東スヘルデ防潮水門を見に行ってきた。スパン45mの巨大水門がなんと62基も並ぶというとんでもないスケールの構造物。以前マエスラント防潮水門でも見た治水プロジェクト「デルタワークス」の一…

船のホテル

船のホテルと言っても、たまに郊外にある船型のラブホテルのことじゃないよ。オランダ−アメリカ線の大型客船、SS Rotterdamを改装したホテルのこと。 実は現在、このホテルに宿泊していて部屋で夜の海を眺めながらブログを書いている。船旅をしているかのよ…

もう一息感

マーストリヒト郊外の運河にひっそりと架かっている張弦梁構造のBoschpoort橋。いろんなところが凝っていて、かなりがんばっていることは伝わってくるけど、そんなに洗練されているようには見えないんだよね。この手慣れていないちょっと言葉足らずな感じを…

斜面の水槽

先日紹介したロンキエール・インクラインを上から見たところ。船がまるごと浮かぶ巨大な水槽が、水を張った状態で斜面の中腹に停止しているのがわかる。巨大って言っても、この写真じゃスケール感がまったく伝わらないだろうけど。実際に動いているところも…

パイソン雑感

「Borneo-Sporenburg Bridges」という両岸の埠頭が入ったまともな名前がつけられているこのまともじゃない橋は、「The Python Bridge」というニックネームも持っている。なるほど、巨大なニシキヘビが僕らを威嚇している姿に見えるね。 この橋を渡ってみると…

一対のバランス

この橋は先日紹介した橋とセットになっている。両者を見比べてみると、こちらの橋のフォルムははじけていなくて面白みが感じられず、そもそも桁下端のラインは不格好だし、ラチスで組まれた側面の傾斜の変化は窮屈な感じで、なんだか拍子抜けしてしまう。つ…

過激な自由

アムステルダム中央駅から東へバスに揺られて約15分、十数年前に行われた湾岸地区の再開発を見に行ってきた。デザインが適度にコントロールされた長屋群による街並みも面白かったのだが、圧巻はボルネオ埠頭とスポーレンブルグ埠頭を結ぶ奇妙な赤い歩道橋。…

写真写りが良くない橋

ブリュッセル郊外の遊歩道にひっそりとたたずむ、ローラン・ネイが設計したStokkel歩道橋。構造力学に対する純度を保ちながらも、とても彫刻的なトラス橋である。緊張感のある美しさを感じて、一目見ただけで気に入ってしまった。 この手の透過性が高く軽量…