はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

ちょっとした気配り


擁壁ってのは、土を支えて地形に段差を生みだす構造物のこと。斜面に位置する宅地や、道路の近傍なんかでよく見かける。
計算や施工が比較的単純なので軽く見られているのか、圧迫感や汚らしさやだらしなさを感じるものが少なくない。お金をかけずとも、ちょっとした工夫で、格段に見た目が良くなるのに。たとえば、上の方の面をわずかに張り出すとかね。
斜めになっているような中途半端な形の面は、張り出しの段差によって生じる陰影を利用して輪郭を明確にすれば、多少整って見えるようになる。アイシャドウや額縁の効果と同じようなものだね。しかも、張り出しが水切りの役目を果たすので、壁面が汚れにくいというおまけもついてくる。
最低でもこのくらいの気配りがあれば、ただの均一面より、だいぶマシになると思う。