はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

解決方法の探索


シュトゥットガルトにある、公園と住宅地を結ぶ歩道橋。コチラでも紹介した、J.シュライヒの設計。まるで樹木のように上方に拡がった、細く赤い橋脚が目を引く。気分としては、5径間の橋だが、見方によっては17径間とも言える。ここがキモ。
シュライヒは、床版を薄くしたかったのだろう。だから、スパンを短くするために橋脚を拡げて、多くの点で桁を支持するようにした。そのために、わざわざ鋳鉄の接合部を新たに開発したのだという。
何らかの命題を設定して、それに対する解決方法を探索し、実行するという行為は、設計やデザインの最も面白い場面だと思う。シュライヒの橋からは、その楽しさが伝わってくる。