はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

大通比較


先週末はずっと名古屋にいた。ちょっと体調というか気分が悪かったので、仕事をさぼって久屋大通公園でも散歩してみようと思い立った。
久屋大通は幅が100mくらいで両側が道路、中央が公園になっている断面構成から、札幌の大通公園にそっくりなんだろうなと思って期待しながら出発した。でも、歩いたときの印象は札幌のそれとはだいぶ違った。というか、名古屋の方には申し訳ないが、ちょっとがっかりしたというのが本音だ。まぁ自分は10年近く札幌に住んでいたので、かなりひいき目に見ているんだろうけど。
どちらも都市の真ん中に防火線として計画的につくられた帯状の公園。札幌のは明治初期の開拓事業として、名古屋のは戦後の復興事業として整備された。つまり、札幌は最初から大通公園ありきの都市であり、名古屋は既成の都市に後から大通公園を挿入したわけだ。
きっとそんな成り立ちも関連しているのだろう。札幌の大通公園と違って、久屋大通公園には一貫性や開放感が感じられないのだ。区画ごとに雰囲気が全く違うし、それらはたいてい少々手を加えすぎている感じがするし、森のような豊かな緑によって連続性も断ち切られているし、沿道の建物の高さもかなりデコボコしているし。
やっぱり札幌の方がいいなぁと思いつつ、汗だくになりながら疲労をさらに蓄積してしまった。気分転換のつもりだったのに。きっと湿度と気温も、印象に大きく関係していたのだろう。