個人的な話だが、今年は人生で初めての海外生活がスタートしたこともあり、かなりスピード感のある密度の高い1年だった。このブログで今年を振り返ってみているんだけど、前半の出来事は遙か昔のことのように感じてならない。まあ今年もいろんなところに行っていろんなものを見させていただいたね。昨年末と同様、その中でも特に印象に残ったものをノミネートしてみよう。
横浜の大黒様、成田の赤い橋、四日市の白いアンローダー、羽田の機体整備工場、台北の室外機群、久喜の建設現場のモノリス、宇都宮の古代風地下迷宮、四日市のコンテナターミナル、潮見のイグアナクレーン、佐原の黒い閘門、芝浦のループ橋の中、品川の喰われるトラス、スヘフェニンゲンの蛇が巻き付いたタワー、ロッテルダムの折れた主塔の斜張橋、リエージュのとんでもない駅舎、パリの魔法の橋、パリの逆さピラミッド、アムステルダムのゆがんだ建物
きりがないのでこのへんで。ここからひとつに絞るのはなかなか難しいね。感動体験のインパクトで選ぶとすると、宇都宮か芝浦かリェージュかな。宇都宮と芝浦は別の目的から結果的に生まれた空間であり、日常から隔絶された空間体験をすることができた。それに対して、リエージュは美しさを意図して美しくしたものだけど、日常にひょっこり現れたSF的空間という点で度肝を抜かれた。大空間の構成から細部の造形に至るまで、徹底してデザインする姿勢がひしひしと感じられ、人間もやればここまでできるのだと思い知らされた。好きか嫌いかで言うと、たぶん嫌いな方に近いと思うんだけど、素直に参ったと言いたい。そういうわけで、リエージュの駅舎を私的ドボク大賞2010に決定するよ。
ともかく、本年もマニアックな与太話におつきあいくださりありがとうございました。来年もますますいろんなものを見聞し、このブログで報告させていただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。