僕がデザイナーとして参加している音楽集団の『トワイライトシステム』が、7作目となるアルバム『2:00am Tokyo Savanna』を発売した。その発売と併せて、年に一回だけ行っている恒例のクリスマスライブを、連休初日の11月23日に原宿のミュージックレストランで行った。とてもありがたいことに、満員御礼。結構早い時期にチケットが売り切れてしまったので、期待していてくださった多くの方々にご迷惑をかけてしまった。
落ち着いた雰囲気でお酒と食事をいただきながらライブ演奏を聴くというスタイルは、なかなかいいもんだね。トワイライトシステムを始めた11年前は僕らもお客さんたちもそれなりに若かったけど、いまはもうオールスタンディングはきついもんね。
今回のライブでは、はじめてのことだけど、僕も壇上に上がってニューアルバムのジャケットデザインの話をプレゼンさせていただいた。しかしながら気分良く酔っぱらっていたので、なんだか要領を得ない話になってしまった気がしてならない。そんなわけで、言い訳がましく、オフィシャルページに載せたコメントをここにも再掲しておく。
今回のジャケットのデザインには、タイトルになっている「東京」を素直に表現することを試みた。まあ素直にと言ってみても、「東京」に対するイメージは人それぞれなので、なかなか悩ましい。いっそのこと極端に抽象化してみようかなあと考えていたときに、神保町にある建築系書店「南洋堂」に展示されている「東京の微地形模型」のことを思い出した。これは、標高差を約8倍に強調した東京の地形模型に、道路、地下鉄、河川などが織り込まれた動画コンテンツを投影するものであり、高密度情報に彩られた様々な顔の「東京」を体験することができる。この多次元感というか浮遊感というか超現実感は、まさに今回のアルバムにうってつけ。ビジュアル的にも抜群に魅力的なので、そこから先はほとんど悩むことがなかった。デザインのチューニングでは、ぱっと見ると意味がわからないが懐かしい未来感があり、よく見てみると現在の「東京」であることがわかり、さらに観察すると様々な発見が得られるという「階層性」を意図したのだが、実際のところはどうだろうか。ぜひ手にとってじっくり眺めていただきたい。
なお、上の写真はバック面に用いた東京国際フォーラムの写真。もともとフロント面で使おうかなと思ってたんだけど、なかなかしっくり来なかった。そこで微地形模型を思いついたので、この写真をバック面に使ってみようかと色味をいじったりしてみたところ、すとんと腑に落ちた。まあそんなもんだよね。
それと、帯と盤面には紫を全面的に使っている。それは、ジャケットで結構目立っている大江戸線の色に合わせたことの他に、先週公開となったロボットアニメ映画に登場する『初号機』にあやかろうと思ったためだ。この話はライブ中に話そうと思っていたんだけど、すっかり忘れてたのでここに残しておく。