長崎の佐世保市と西海市の境界である伊ノ浦(針尾)瀬戸は、とても贅沢な観光ポイントだね。西海橋と新西海橋の2つの素敵なアーチ橋が架かっているし、びっくりするぐらい潮の流れが速くて、うまくすれば渦潮も見られるらしいし、新西海橋からは針尾送信所の3本のコンクリートタワーも拝めるし。
この西海橋が建設されたのは1955年(昭和30年)で、もうすぐ還暦を迎える。支間長216mを誇る大アーチは、当時「東洋一」を誇っていたのだそうな。いまや「東洋一」という称号を使う場面はなかなか見かけないけど、西海橋の解説には必ずと言っていいほど付いてくるキーワードだね。
当時を振り返ると、この鼻息の荒さの理由はよくわかる。この橋こそが島国日本の経済を活性化する一翼を担った長大橋梁建設のトリガーだったのだ。つまり、日本の技術史に燦然と光り輝く橋なのだ。建設当時のプロジェクトX的な素敵なお話はこちら(建設業界:土木エンジニアたちの群像「西海橋を架けたエンジニア」)をどうぞ。
ため息が出るほど凛としたかっこよさを魅せる西海橋を眺めながら、先人たちの仕事に思いを馳せたいよね。そんな場はちゃんと用意されている。周辺には公園と遊歩道がしっかり整備されているので、新西海橋も含めてぐるりと一周しながら、様々な角度から橋を眺め倒すことができるよ。長崎観光のポイントのひとつになると思うので、検討してみてはいかがでしょうか。
あ、「トリガー」などと言う単語がさらりと出てきたところを見ると、あのロボットアニメにあっさり影響されてしまったんだろうね。