はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

きのこの給水塔

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3年前のクリスマスの日はローマで過ごした。サンピエトロ広場でベネディクト16世の説法を聞いた後に、EUR(エウル)というエリアを訪れた。クリスマスのために完全に機能停止していた街からは、ファシストの壮大な夢の断片が感じられた。

ネルヴィの手による室内競技場「Palalottomatica」が見られないかなあと丘の上に行ってみると、予想通りに目的の物件は全く近寄れなかったが(翌日は「Palazzetto dello Sport」を見ることができて大満足)、妙なタワーを目ざとく見つけた。上部に窓があるし、さらにその上には温度表示板や広告看板のようなものが見えるし、そもそも形が普通の建築物ではないし、入り口らしき部分にはレストランやカフェのような記述があるし、なんの施設かさっぱりわからない。でも、脚部や円盤下面の造形などが只者ではない雰囲気を放っている。これは後日調べないといけない物件だなあと思って、その場を後にした。・・・ということを、つい先ほど思い出した。

ネットで調べてみたところ、イタリア語の情報がほとんどってこともあり、なかなか核心に近づけないでいる。とりあえず、「il fungo(きのこ)」という名のレストランであること、レストランは回転しないこと、そもそもは1960年に建てられた給水塔であること、高さは52mで直径が30mもあることはわかった。しかし、今でも現役の給水塔なのか、レストランははじめからあるのかといったことなどは、モヤモヤしていて明確にはわからない。まあそのうち調べてみるかな、ということで、再び忘れることにするね。