はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

大人気隧道

この夏に神戸を訪れたときにSNSで神戸のドボク的名所を募ったところ、いろんな方からいろんな物件をお知らせいただくことができた。その中でも特に興味を引かれたのが、日本初の河川トンネルの「湊川隧道」。たまたま翌日が一般公開の日だったので、急遽合流してくれた現地の友人たちと一緒に行ってきた。

湊川隧道は氾濫を繰り返してきた天井川の流路を切り替えるために、1901(明治34)年につくられた。隧道のアーチ部はレンガ積みで構成され、河床となるインバート部は洗掘摩耗に耐えるべく自然石が使用されている。阪神淡路大震災を引き起こした兵庫県南部地震により被災したこともあり、新たなバイパス水路となる新湊川トンネルが2000年につくられ、湊川隧道は役目を終えた。素晴らしいのは、その後もしっかり保存され、イベントなどに活用されていることである。

内部空間の重厚な雰囲気には、すっかり圧倒された。とても見事な構造物で、大満足。そして、ものすごくたくさんの人が訪れていたことにびっくり。どうやら直前にテレビで紹介されていたようだ。地域を支えてきた土木施設がしっかり認知され、愛されている状況に触れ、とても胸が熱くなったな。

なお、土木の日に絡めて11月9日に「新湊川ウォーク 湊川隧道通り抜け」というスペシャルイベントが行われるという。ううむ、行きたいなあ。