はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

女王陛下のロックゲート

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海外の土木構造物の情報をどうやって見つけるのかという質問を時々いただく。ネット上でしつこく探すという回答になるわけだが、それなりにコツというかカンが必要になる。ざっくりとは『ヨーロッパのドボクを見に行こう』の「第7章|ドボク旅行のテクニック:計画編」(p.130-131)に示したので、ご興味がある方はそちらをご覧いただきたい。

その次の質問として、本日も問われたのだが、道中で偶然出会うこともあるのかというもの。これって、それなりにある。そもそも欲しい情報なんて事前にわからないことの方が多いもんね。おや?これは?と思ったら、瞬時に車を止める判断をしなければならないので、現地ではそれなりの勇気と時間の余裕が必要だ。

前置きが長くなってしまったが、本日の問いかけの際に、昨年のオランダ訪問の際に偶然出会った機能主義を感じる閘門のことを思いだした。バイザーゲートを有するハーゲスタイン水門」を見に行き、わざわざ対岸に行った時におや?これは?と思って立ち寄ったのだ。こんなステキな造形の副産物が得られたので、遠回りも失敗ではなかったということだね。でも、現地で出会った構造物はうっかりそのまま放置しがち。ということで、先ほどようやく調べてみた。

少々手こずったが、元女王の名を冠する「ベアトリクス王女閘門(Prinses Beatrixsluizen)」であることがわかった。レック川とアムステルダム・ライン運河を結ぶ閘門で、1938年に建設されたものとのこと。ちなみにベアトリクス王女は、2013年に女王を引退してqueenからprincessになった。この閘門の名前が当初から、また、女王の在任中もこの名前だったかは定かではない。今は調べる気がしないので、また放置することにする。