はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

ただならぬ体育館

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先日の佐賀訪問時には、数時間の時間を確保してまち歩きをした。街の中を縦横に走るクリークを中心に見て回っていると、遠くにギザギザした不穏なシルエットが見えた。直感的にこれはヤバいものだとググッと心を掴まれて早足で近づいていくと、折板構造の壁面と吊り構造の屋根を持つ「市村記念体育館」だった。

圧倒的なブルータル感に興奮しながら外側を鑑賞していると、そりゃ内部も見たくなるよね。時間が残り少なくなってきたなあと思いつつも事務室を尋ねてみると、たいへんウェルカムな雰囲気で迎え入れてくださった。有名な建築家によるものなんですか?などとのんきに聞いてみると、坂倉準三の設計だという。しかもリコーの創業者である市村清が私費を投じて寄贈したものだという。ああ自分はなんて不勉強だったんだろうと思いつつ、ワイルドな外見とはずいぶん印象が異なる魅力的な空間のフォルムにうっとり。舞台裏の楽屋やそこで今も使われているオリジナル椅子なども見せていただき、これまで大切に使われてきたことを随所に感じられた。

帰りの飛行機の中でツイートしたところ、来月より改修工事のために閉館するという情報をいただいた。いやもう、本当にラッキーだったんだな。来年3月からはイベントの会場として使われるとのことだが、その後の活用は未定とされている。今後も末永く使われていってほしいね。

参考:佐賀新聞の記事

高難度空港

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ブータン唯一の国際空港であるのパロ空港は、世界でも屈指のパイロット泣かせの空港と言われている。事前にそのうわさ話は聞いていたが、実際に離着陸を体験して、脂汗とともにその理由を深く納得した。なにしろ滑走路の前後にはすぐ山が控えているために、やんわり曲がったパロ川の谷地形に沿って機体が左右に振られ続けるのだ。そして、着陸直前に側方に見えた山の近さは、なかなかスリリングだった。なんでもレーダーによる航空管制が行われておらず、有視界飛行で離着陸しなければならないという。ゆえに、夜間は全く使用できないらしい。最終日に対岸の道路から1964mの滑走路が見えたのだが、とても短く感じたな。

富士山型橋脚

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湘南モノレールには独特の形状の橋脚がある。まるで富士山を意識しているかのような二等辺三角形のフォルム。もちろん交差物件に起因する様々な制約から決定された形態だとは思うけど、結果的に湘南モノレールを紹介される際によくロケーションとして使われていることが興味深い。やはり個性的な特徴ってのは重要だよね。

この形態の変遷を少し調べようとしたのだけど、結論としてはあまりよくわからなかった。橋の架け替え工事をしているのだけど、どうも旧道の位置にそのまま新橋が整備されたらしい、一旦写真右側の仮橋を使っていたみたい。

いずれにしても原位置での架け替えは、既存の構造物の存在理由が継承されるので、腑に落ちながらとてもスッキリ見ることができるよね。正確なところまで調べきれていないところが悔しいけど。

まあいずれにしても、対象が多岐にわたるので下調べには時間がかかりすぎるよね。広域的全体的な案件は。まあつべこべ言わずにどんどん進めないとな。