はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

2011-01-01から1ヶ月間の記事一覧

デザインのスタンス

新進気鋭の構造設計家ローラン・ネイを中心とするチームが手がけた、ブリュッセル郊外に2001年に架けられたTervuren歩道橋。道路を跨ぐ高い位置の遊歩道橋と、トラムの停車場がある下の歩道のための横断歩道橋の2つの役割を持っている。 複雑な動線を持つに…

過剰なパイプワーク

たしかに僕はパイプが好きだと言ったけど、ここまでやるのはどうかと思うよ。カラーリングも含めて。どうもベルギーはやり過ぎる傾向にあるね、なんにつけても。まぁそれはそれで魅力的。

ストレピ・テュー

ロンキエールのばかばかしさもすごいが、そこから南西に約20km移動したところに、さらなるボスキャラが待っている。ストレピ・テュー・リフトだ。細かい説明は、例によって全部カワウソ写真家佐藤さんにやっていただくことにして(Das Otterhaus 【カワウソ…

ロンキエール

欧州に来てみて、可動橋やら閘門やら、水運にまつわる構造物があたりまえのようにあることにびっくりした。日本における内陸水運はモータリゼーションの波にさらされて消滅の一途をたどったのに、欧州では現在も平然と機能しているんだね。オランダのように…

頭上のおもり

先日記載した跳開橋の隣の水路に、全く同じと思われる構造物が道路橋として使用状態にあった。この状態もかなり異様だ。何しろトラス桁を跳ね上げるためのカウンターウェイトが道路上にぶら下がっているんだもの。いったい何トンあるんだろうか。この下を通…

トランスフォームブリッジ

これだけを見ると、とても橋だとは認識できないよね。なにに似ているかと言えば、かつてのロボットアニメに出てきた悪役の巨大変形ロボかな。この可動橋、動いているところを見たわけではないけど、折りたたまれて屹立した異様な姿は、少年の頃に味わった懐…

欧州で工場萌え

念願かなって、ようやく欧州で工場鑑賞をしてきた。巨大な石油化学コンビナートが形成されているベルギーのアントワーペン、すごくいいところだね。ダイヤモンドとルーベンスとフランダースの犬だけじゃないよ。アイントホーフェンからは100km弱なので、これ…

波の力を受ける点

マエスラント防潮水門は、幅360mの運河の両側に配置された円弧状のセクターゲートが閉じられることにより機能する。200mはあろうかというゲートにはトラスで組まれた扇状のフレームがついており、その長さはおよそ250mにも及ぶ。ゲートは閉じられた後に沈め…

ダッチ土木の執念

ご存じの通りオランダは極端に土地が低いため、水の災害が頻繁に起こりやすい。かつて隣国と戦争状態にあったときには、その特性を逆手にとって、わざと川を氾濫させて敵軍を水攻めにするという防衛ラインを構築したほどだ。オランダの国土の管理は地域全体…

ダッチ土木の伝統

せっかくオランダに来たからには、いかにもオランダらしい風景をしっかり見ておかねばなるまい。そこで先週末、ユネスコの世界遺産にも登録されているキンデルダイクの風車ネットワークを見に行ってきた。「世界は神がつくったが、オランダはオランダ人がつ…

権威主義的閘門

先日のドライブで偶然出会った閘門、Lanaye Lock。マーストリヒトの南、ベルギーに入ってすぐに位置しており、かなり水位差がある上流のLanaye運河と下流のAlbert運河を結びつけている。威圧感さえ感じさせる堂々たるデザインの上屋がなんともかっこいいね。

大人っぽくないデザイン

欧州の橋のデザインはレベルが高いことは間違いないと思うけど、ときには残念なものもあるよ。先日紹介した地味ながらも素敵な大人のPC斜張橋のひとつ下流に架かる橋もそう。そもそも吊橋を選定した必然性がわからないし、側径間が異様に短いプロポーション…

大人コンクリート

マーストリヒトから南下してベルギーに入ってすぐのところにあるLanaye橋。コンクリートの斜張橋というとごつくて重たいというイメージがあるけど、この橋はすごく軽やか。スリムなプロポーションを引き立てる絶妙なテーパーやケーブルの定着部などのディテ…

橋詣

あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。 お正月といえば初詣でしょう。しかしオランダには神社がないので、その代わりにベルギーの橋をいくつか参拝し、今年もたくさんのすてきな人々や風景や構造物に出会えることを祈念してき…