はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

オリンピック・レガシー

オリンピックがもたらした施設には、独特の残り香がある気がする。熱量というか、誇りというか、執念というか。個人的にはそうした雰囲気に魅力を感じるので、開催都市を訪れた時には無意識的にオリンピック関連施設を訪れていることが多い。ブログの過去記事をチェックしてみると、そのことを実感する。

昨年の夏に行ったヘルシンキもそう。なにを見に行こうか現地で検索していた際に、1952年にオリンピックが開催されていたことを知るに至り、悩んだ末にスタジアムを訪問した。これは1938年につくられ、1994年に全面改修されたとのこと。建設年がオリンピック開催年と大きく異なっているのは、東京が返上した1940年の大会をヘルシンキで実施する予定が、戦争のために結局中止されたためのとのこと。そんな周辺知識を得ると、感慨深くなるね。

スタジアムの内部を少しだけ見学した。いかにも北欧デザインっぽいシンプルな空間構成を味わい、脇にそびえ立つタワーの外階段がとても印象的な造形を楽しんだ。そして、タワー頂部にエレベーターで登ると、そこからはヘルシンキの街並みが一望できた。高層建築がほとんどない街なので、この視点場は貴重だよね。

これからパリで行われるオリンピックでは、どんなレガシーが残されるのだろうか。もともと街に存在する魅力を有効に活用する計画のようなので、新設に対する捉え方とは異なるのかもしれないね。そこら辺に注目しながら、大会を楽しみたい。