今年の5月にローマのテヴェレ川に架けられたばかりの、Ponte della Musicaという鋼アーチ橋。現時点では歩道橋だけど、将来はバスやトラムが通ることを想定しているらしい。
きっちりときれいにまとめられた橋ではあるが、既視感のある構造フォルムやカラーリングや材料の使い方やディテールの造形などに、少々物足りなさを感じてしまう。なにしろこの橋の先には、ザハ・ハディドによる美術館、ピエール・ルイージ・ネルヴィによる体育館、レンゾ・ピアノによる音楽ホールがあるという、建築デザイン的にかなり派手な土地柄であるので。それに、とんでもなく重厚な歴史を持つローマに立地しているわけだし。
もっと挑戦的な冒険があったほうが良かったんじゃないかと思ってしまうのだが、今のイタリアの財政事情にはかなりの問題があるので、そうそう派手なことはできないのだろうね。