南国の台北で見かけた擁壁。奇妙なことに、10m間隔で規則正しくツタが生長している。これは、コンクリート構造物の切れ目は湿潤になりやすい事実を、端的に示している。
この擁壁は、設計段階でツタの生長を想定していたとは思えない。そもそも、見た目には配慮していないように思う。だらしなく汚れているし。しかし、重要なアイデアソースを受け取ることができる。見た目に大きく影響する目地を利用して壁面を分節化したり、天端や背面からの水の流れをコントロールして意図的に緑や汚れを誘導したり、天端の張り出し形状を工夫してラインを通してみたり。
お絵かきや彫り物など、後付けの装飾に手を出す前に考えなきゃならないことって、たくさんある。