はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

高架橋に残された不思議な痕跡


首都高速11号台場線の有明JCTと台場ICの間に不思議な付帯施設がある。その特徴は、部材が細い、500mくらいの延長がありそう、上面と側面がネットで覆われている、上面にはかなりの勾配がついているというもの。お台場と有明に挟まれた運河に立地していて、宅配便のサービスセンターに隣接していて、上空にはなにもない。橋梁構造としては貧弱なものであり、ほかでは見たことがない特異な空間が形成されていて、防ぐべき特別な外敵も見当たらないのだ。
ここを通るたびになんのための施設なのか疑問に思っていたのだが、かつての様子を人伝に聞いて、長年のもやもやがようやく解けた。それは、宅配便のサービスセンターができる前は、ゴルフ練習場があったということ。つまり、飛来するゴルフボールから走行車線を守るための施設だったわけだ。この高架橋が建設された当時、ゴルフ練習場ではなく道路をネットで囲むという選択をしたわけだ。
一度つくったものを取り払うにもかなりのコストがかかるんだろうね。ゴルフ練習場がなくなった今となっては、なんだかわからないものになっている。都市の中のちょっとした遺跡である。