はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

アーチ風トラス

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オランダにあるロシアの旅客機(飛行機に泊まる)に宿泊した翌日、高速道路を北上してズウォレという街に向かった。街に近づいてきたので駐車場の心配をしていたら、川を渡る際に右手の遠方に赤い橋がチラリと見えた。むむっ?あれはもしや、事前のチェックで気になったけど、場所が特定できなかった橋ではないか?と思い、急遽高速道路を降りて寄り道することにした。ちなみに、2011年に完成した新しい橋であるがゆえに、Googleマップの航空写真に反映されていなかったのだ。

橋の名称はストレートに「Zwolle Railroad Bridge」らしい。極端にライズの低いアーチのように見えるけど、構造形式はおそらく曲弦のポニートラスだよねえ。曲線のアウトラインからなるフォルムはとてもスムーズで、全断面溶接のきれいなサーフェスがそれをビシッと引き立てている。桁裏や橋脚もきれいにまとめられており、写真手前側(南側)には自転車用の橋梁が付帯しているのだけど、全く破綻なくおさまっている。要するに、デザインのクオリティーが高いのだ。

立ち寄って良かったなあと思いながらしばらくボーッと眺めていたら、オランダ鉄道(NS)の黄色と青の2階建て列車が通りがかった。オランダ在住時にずいぶんお世話になったので、個人的にとても懐かしく感じる。橋の鮮烈な赤は、鉄道車両ともどんよりとした風景ともばっちり調和していたよ。