はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

未来的避難所

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日本海に沿って小樽と稚内を結ぶ「オロロンライン」は、北海道の雄大さを体感できる素晴らしい道路だ。特に道北のサロベツ原野をひた走る直線区間は、日本離れしたスケールをうんざりするほど堪能できる。

もちろん夏の晴れた日のドライブは最高な体験になるのだが、冬の荒天時には状況が一変する。日本海から吹きすさぶ強風に容赦なく煽られ、下から巻き上がる吹雪に視界を奪われて道路の位置がわからなくなり、圧雪されないままに凍結した路面のグリップ感の無さに不安を覚え、恐怖のあまりに停車してしまうとじゃんじゃん吹きだまりが成長する。少しでも気を緩めると、生命の危機に直面してしまうわけだ。

そんな状況下で待避できる場所が「浜里パーキングシェルター」だ。二車線と路側の駐車帯がプレキャストコンクリートのアーチで覆われ、風雪を一時的にしのぐことができる。停車できるスノーシェルターと考えればいいだろう。長い道路でここだけにあるってのもどうなんだろうと思うかもしれないが、特に厳しい環境の地点だと理解するのがいいだろうね。

このパーキングシェルターは明かり取りの窓がビシッと連続しており、とにかく内部空間がかっこいい。さらに、すぐ南に「オトンルイ風力発電所」があるのもいい。このように、なにかと日本離れした景観が堪能できる場所だよ。できるだけ夏の晴れた日に行くようにしよう。