はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

マイナーな名橋

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富山地方鉄道立山駅の近くに、常願寺川を跨ぐ古い中路式の鋼ブレースドリブ・タイドアーチ橋がある。一目見ただけでも、ただものではない風格が漂っていることがわかる。この橋は、常願寺川水路橋(千寿橋)といい、橋梁エンジニアの増田淳の設計で、1931(昭和6)年に架けられたものだ。増田淳の業績は全国各地に多数あり、例えば、隅田川に架かる白鬚橋や千住大橋、淀川を跨ぐ十三大橋が挙げられる。

僕はこの橋のことを全く知らなかったのだが、立山カルデラを取材させてもらうために北陸地方整備局立山砂防事務所を訪問した際にチラリと見るなり気になって、職員の方に少し情報をいただいた。そして、立山カルデラに向かうトロッコから上の写真を撮った。そもそも立ち入り禁止エリアから、しかもトロッコからの写真なんて、かなりレアなんじゃないだろうか。たまたま別件で過去写真を捜索していた際にこの写真を見つけて、存在を忘れていたへそくりが見つかったかのように小躍りした。

ちゃんと調べていないのでなんとも言えないが、国や学会や県などの土木遺産に指定されていないのかなね。しっかりメンテナンスされているのだろうけど、もっとメジャーになってもいい橋だと思うな。