はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

マイナーな名橋

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富山地方鉄道立山駅の近くに、常願寺川を跨ぐ古い中路式の鋼ブレースドリブ・タイドアーチ橋がある。一目見ただけでも、ただものではない風格が漂っていることがわかる。この橋は、常願寺川水路橋(千寿橋)といい、橋梁エンジニアの増田淳の設計で、1931(昭和6)年に架けられたものだ。増田淳の業績は全国各地に多数あり、例えば、隅田川に架かる白鬚橋や千住大橋、淀川を跨ぐ十三大橋が挙げられる。

僕はこの橋のことを全く知らなかったのだが、立山カルデラを取材させてもらうために北陸地方整備局立山砂防事務所を訪問した際にチラリと見るなり気になって、職員の方に少し情報をいただいた。そして、立山カルデラに向かうトロッコから上の写真を撮った。そもそも立ち入り禁止エリアから、しかもトロッコからの写真なんて、かなりレアなんじゃないだろうか。たまたま別件で過去写真を捜索していた際にこの写真を見つけて、存在を忘れていたへそくりが見つかったかのように小躍りした。

ちゃんと調べていないのでなんとも言えないが、国や学会や県などの土木遺産に指定されていないのかなね。しっかりメンテナンスされているのだろうけど、もっとメジャーになってもいい橋だと思うな。

脇を固める

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これまでにもまち歩きをしている最中、いろんな耐震改修の事例を写真に撮ってストックしてきた。もちろん知識に基づいて見ていたわけではないので、なんとなくというレベルだが。

先ほどそれらを一覧していたときに気付いたのだが、松江のテレビ局にあったタイプの耐震補強、つまり、建物を両側からがっちり拘束するタイプって、他で見たことがない。他の建物にはない独自の迫力を獲得していて、かっこいいんだよな。なんだか動き出しそうだし。

オリンピックの思い出

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ミュンヘンのオリンピックタワーから見下ろすと、フライ・オットーが手がけたユニークな吊り屋根が点在するオリンピアパークはもちろん、広々とした緑地や選手村をベースとした団地、さらにはBMWの本社やミュージアムなどが一望できる。オリンピックが都市に残した足跡がとてもわかりやすい。

そう言えば、オリンピック関連施設がある都市はたくさん見たことがあるかもと思い、試しに年表を見ながらブログ記事をピックアップしてみた。すると、ローマ(1960)、ミュンヘン(1972)、バルセロナ(1992)、トリノ(2006、冬期)の4都市であり、それほど多いわけではなかった。単純に、印象に残る施設が多いということなんだろうな。それと、2019年末にロンドンを訪問した際には、2012年大会の会場跡には行きそびれたことにあらためて気がついた。今後は跡地の活用方法などを含めて、意識的に見て回ろう。

今週から東京でのオリンピックがはじまった。スポーツ観戦そのものは楽しいよね。たとえ自宅からでも、競技に集中して心酔できることを願っている。