はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

2007-08-01から1ヶ月間の記事一覧

ノイズリダクション

吊橋の内部景観。 このような長大橋梁を渡るとき、僕は運転しながらも、ついつい周りの風景を眺めてしまう。いつもワクワクして、いい気分になり、感激する。 ところが、その内部景観を写真に撮ってみても、そのドキドキ感は伝わらない。思いのほか、いろん…

イナカモノノヒトリゴト

あらためて言うことでもないけど。東京って、なにもかもがものすごい密度で集積しているんだね。しかも、その範囲がとてつもなく大きい。圧倒されっぱなしで、ちょっと引いてしまう。

抑圧の解放

15年ほど前だろうか。大学の研究室にあった写真集を見て、大きな衝撃を受けた。その写真集には、溶鉱炉の写真がカタログ的に淡々と並べられていた。感情などまったくなく、極めて機械的に、極めて冷徹に。僕はそれを眺めて、激しい感情のブレを味わった。し…

ねじれた関係

田園風景の中にポツンと架けられたあるアーチ橋に近づくと、違和感というか気持ち悪さがどんどん増大する。橋がゆがんで見えるのだ。ちょっとしたワンダースケープである。 その理由は、道路と川が斜めに交差しているために、2つのアーチリブが平面図上で橋…

仇となる厚意

河川橋のコンクリート床板を部分的に張り出して歩道の空間を広げた、いわゆるバルコニー。これらは、快適な眺望・休憩施設を意図してつくられる。確かに橋からの眺めは良いことが多いので、穏やかな日はそこに佇みたくなるだろう。しかし実際は、夏は強い日…

独り立ちした門

そもそも門は、特殊な場だと思う。分け隔てられた内側と外側が門によって結ばれ、そこを通過することで世界が切り替わる。だからこそ、古来から個人も権力者も、門に対して格別のこだわりを持っているのだろう。自分を誇示するものとして。だからと言って、…

汚れを誘うもの

工場の中には、巨大なパイプが張り巡らされている。それを下から見上げてみると、植物や昆虫のような面白い模様を目にすることができる。意図しないアールヌーボーといったところだろうか。この細かい筋は、水が通った道にほかならない。製鉄所などは、細か…

曲げる理由

コンビナートでは、グニャリと曲がったパイプをよく見かける。一直線に伸ばせば済みそうなところでも、一定間隔で曲げられている。効率が悪いような気がしてならないが、もちろん理由があってのこと。これは、熱によるパイプの伸縮を吸収するためなんだそう…

下町の頑固さ

浅草の地下街に通じる階段。かなり怪しげな雰囲気を醸し出しているけど、地上からのメインエントランスだ。たぶん。この地下街、見た目からしてもかなり古い。営業開始は昭和30年(1955年)らしいので、すでに半世紀ということになる。その時期から考えると…

ブリュッケン

前回の橋梁を遠くから眺めると、こうなる。異様にスレンダーかつシンプル。テーパーがついた細い橋脚、ストラットで剛性を高めている鋼箱桁、両端の斜面の保全を実現したケーブルトラス。地味に見えるけど、かなり冒険している構造物だ。実際にこの橋に触れ…

逆さまの斜張橋

ドイツ・アウトバーンのネッカータール高架橋。この写真ではわかりにくいけど、復員は30m、橋脚の高さは120mの巨大な橋だ。10mの張り出し床版を支えるストラットがすてき。渋い配色もすてき。この橋の支間割りは、230+3@134+230。端が長い変則的なもの。普通…

思考停止のストライプ

「まことちゃん」で有名な楳図かずお氏の住宅が話題になっている。氏のトレードマークである紅白の横縞でペイントしたうえ、外観にはキャラクターをあしらうものだそうで、地域住民の2名が「あんな建物は色彩の暴力であり形の暴力」として建設差し止めを求…

市街橋の要素

かつて、「北海道三大名橋」という呼称があった。札幌の豊平橋(T13)、釧路の幣舞橋(S3)、旭川の旭橋(S7)である。豊平橋と幣舞橋はすでに架け替えられ、現役は旭橋のみである。写真はそのうちのひとつ、先代の豊平橋を掲載している札幌市営交通のプリペイドカ…