はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

遺跡の見せ方

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夏のアルプスツアーの目的のひとつに、Marte.Marte Architektenによる橋があった。調べているうちに、どうやらローマ時代の遺跡を絡めた「Freilichtmuseum Römervilla」なる耐候性鋼板でつくられたモニュメントがヒットしたので、ついでに見に行ってきた。これがなんとも不思議なランドスケープを形成していて、とても魅力的だった。

アルプスの山々に囲まれたちょっとした平地に広がるトウモロコシ畑の中にあり、さらにその周囲をゴルフ場やサッカー場が取り囲んでいる。そこにかつての住居らしき区画が復元されている。そして、耐候性鋼板のタワー基部のガラスショーケースから、オリジナルらしき遺跡の一部を観察することができる。台形の舞台の袖に配置された壁には、出土品らしき品々が展示されている。「らしき」ばかりで恐縮だけど。

もしかするとゴルフ場の開発時に出てきた遺跡なのかもしれないが、透明板に書かれた文章はたいへん読みにくく、もちろんドイツ語表記だったので、さっぱりわからなかった。しかし、耐候性鋼板のテクスチャーとシャープな造形の構築物によって、古代遺跡の雰囲気が増強され、新たな価値を帯びていたようにも感じた。しかしまあ、そのうちもっとちゃんとした情報を仕入れないとなあ。