11月24日までに、急いで新宿駅西口広場イベントコーナーに行こう。土木学会「土木コレクション2016」と、東京都建設局「橋と土木展」が同時開催されているので。土木の展示としては王道である「技術を丁寧に伝える」という雰囲気の中で異彩を放っているのが、昭和女子大学の田村研究室が制作した新宿駅模型。そのでかさは尋常ではなく、現場でクラクラしながら「体得」するのが正解だと思う。もちろん土木の魅力の新たな見せ方を試みている「ドボ博」体験コーナーもお忘れなく。
新宿駅模型はホームやコンコースなどの人が歩く公共空間だけが表現されている。通常は見える部分が排除され、通常は見ることができない部分が切り抜かれて可視化されていることで、思わぬ発見がたくさん得られる。
軍事施設のように複雑に重層化する新宿駅本体の傍若無人っぷり。その上を平然とぶち抜く甲州街道。都市構造がそのまま反映されている新宿三丁目周辺。歩行空間の都合ではなく建物の都合で位置や方向が規定される昇降部。などなど。
歩行空間だけをじっと眺めることによって、都市の骨格がうっすら浮かび上がってくる体験は、本当に楽しい。大江戸線あたりを少しがんばって観察すると、「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法」の適用範囲が見えてくるかもしれないよ。