はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

ダム前の橋

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カリフォルニア州のオロビル・ダムの非常用洪水吐きに大きな穴が発生し、さらなる大きな災害に備えるために大規模な避難命令が出されたことが報じられた。甚大な被害をもたらしかねないダム災害に思いを馳せていたところ、イタリア北部のヴァイオント・ダムのことが頭をよぎり、5年前に訪問したときの写真を眺め直してみた。湛水試験中に大規模な地すべりが発生し、ダム湖の水が高い壁となって下流の村々を襲い、2000名以上の方が犠牲になったという、極めて悲劇的な廃ダムだ。

その堤体の直下には、とても魅力的な橋が架かっている。ダブルデッキの上部は導水管、下部は車も通れそうな管理用通路となっているようだ。鋼製橋脚が方杖ラーメン風に斜めに配置されていたり、アーチのような圧縮力が入っていそうな鈑桁を混在させたり、道路の桁をケーブルを吊ったり、防護ネットらしきものが上空に渡されていたり、いかにも固そうな岩盤に囲まれていたりと、近くからじっくり眺めてみたくなる。とても到達できそうもない場所だけどね。

ダム自体は廃止されて機能していないけど、この橋はどうなんだろうかね。なんだかんだ言って堤体のメンテナンスは必要なんだろうから、この橋もメンテナンスし続けなければいけないんだろうなあ。