はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

断面に見える斜面

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勝浦港の防波堤から見た漁協施設と集落、その背後にある崖地。2つの尾根の間に住宅があることも、チラリと確認できる。まるでポリゴンフレームのような法枠工の急斜面は、山を垂直にザクッとカットした断面のようにも見え、なにかを説明するためのジオラマ模型のように感じた。

短絡的に、平地を生み出すために山を切り崩してその土砂で手前の埋立地を形成する開発を経済成長期に行ったのかと思ったが、どうもそうではないようだ。1947年に米軍が撮影した写真によると、その時点で集落が形成されていて、メインエリアの埋立も完了していたことがわかる。さらにgoogleストリートビューによると、2015年時点ではモルタル吹き付けの斜面だったことが確認できる。単純に、もともと海食崖である「急傾斜地崩壊危険箇所」の表面を、ごく最近になってあらためてしっかり保護しているんだろうね。

安全のために急斜面を手当てしていても、逆方向の印象である痛々しさが際立っちゃってるよなあ。