この夏は沖縄を訪問した。いつもどおりマニアックなドボク旅が基軸であることには違いないのだが、少々思うところがあって、最後の訪問先は沖縄戦最後の激戦地である摩文仁(まぶに)の丘にある「沖縄平和記念公園」とした。
ある程度覚悟を決めた上で資料館の展示にどっぷり向き合った結果、展示室を抜けた先に広がるオーシャンビューは印象が全く異なるものになっていた。当時の方々が眺めていた風景の構成自体は、現在と大きく変わらないはず。しかし、想像を絶する激しい戦時下において、どのように見えていたのだろうか。
受け止めきれない感情の起伏を感じながら、広大な駐車場に止めたレンタカーに向かって歩いていると、ポツリポツリと雨が降ってきた。まだ余裕あるよねえと思いつつも足早に歩いて車に乗り込み、ドアを閉めた3秒後に土砂降りになった。このような南国のスコールは、戦没者の方々の多くも体験されていたんだろうなあ。わけもわからず、なんとなく腑に落ちた気になり、雨が止む前に車を発進させた。