はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

でかすぎる地形模型

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地形も楽しいけど、地形模型はもっと楽しい。鳥の視点というか、神の視点が得られる気分になるからだろう。ものごとを俯瞰的に眺めて全体像を捉えることができたときは、地形に限らず、うれしさとともに理解を手に入れた気になるもんねえ。

ところが、全貌を把握できないほどバカでかい地形模型が埼玉にある。それは「埼玉県立 川の博物館(かわはく)」の展示施設のひとつの『荒川大模型173』。なんと、荒川の源流から河口に至るまでの延長173kmとその周辺を、1000分の1の大きさでつくっちゃったというワクワク施設だ。山地部は高さが1.2倍で10m間隔、平野部は高さが1.5倍で4m間隔で表現されているらしい。用いられている素材はGRC(ガラス繊維強化セメント)とのことなので、実際の荒川流域の地質に比べると強固な岩盤と言えるね。

起伏が激しいV字谷の山間部はもちろん視覚的に楽しいけど、秩父あたりの河岸段丘が発達している様子、土砂の気分になると解放で満たされる扇状地の様子、遊水池としての機能を有するとてつもない川幅の中流域の様子、人工的につくられた荒川放水路の様子、河口付近の埋立地の様子など、楽しめるポイントが大量にある。たっぷり時間を確保して見に行くことをオススメする。

もうひとつのポイントは、等高線(コンター)で構成されていることだろうね。視覚的にかっこいいってこともあるけれど、より記号的な表現なので、抽象度が高い次元での理解が促される。ここらへんが「腑に落ちる感覚」を強化しているんだと思う。

参考:埼玉県立川の博物館オフィシャルサイト