はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

高低差の折り合い

f:id:hachim:20210930190039j:plain

狭い敷地の中で円弧を描くように高低差を解消している階段とスロープ。エッジの効いた段差と滑らかな曲面の対比は、得も言われぬ緊張感がある。周辺も含めたコンクリートのブルータルな造形とテクスチャーが、より印象強いものにしている。

なんというか、ここにはある種の純粋さが内包されている気がするな。美の実現を目論んでいない場面で、個別の理屈が衝突して生まれた独特の面白さと言ってもいいかもしれないね。

こんな眺めはそこら中に存在している気もするが、いざ収集しようと思って探してみても、そう簡単に見つからない。もちろん検索してみたところで、そんな情報はどこにもないし。

どうやら、手がかりは高低差にありそうだ。つまり、地形と人工物との接点に生じる水平と鉛直の両方向での折り合いを探索すると見つかりやすい気がするのだ。まあそれだけではないと思うけど、着目ポイントがひとつでも明確になれば、まち歩きも解像度を上げた状態で楽しめるよね。