8月19日から23日までの期間、アムステルダムでは5年に一度の帆船まつり「SAIL AMSTERDAM 2015」が開催されている。まったく偶然のことだが、僕がアムステルダムに行った予定とビタッと一致してしまったために、様々なトラブルの元凶になったとともに、滅多に味わえないスペシャルな体験をたっぷり味わうことができた。その中でも最大級のびっくり体験は、ヤン・シェーファー橋(Jan Schaeferbrug)のトランスフォームっぷりを拝めたことだ。
5年前にはじめてこの橋を見たとき、なんてかっこわるい橋なんだ、航路による制約ってのはなんとなくわかるけどめちゃくちゃな支間割じゃないか、そもそも航路の位置がぜんぜん意味わからないじゃんなど、マイナスのイメージしか持てなかった。そして、なんでこんなおかしなプロポーションになっちゃったのかを後で調べてみようと思ったきり、すっかり忘れていた。しかしその答えは、だしぬけにFBのフィードでもたらされた。なんと、ルーアンの可動橋「ギュスターヴ・フローベール橋」と同じように、SAILにおいて帆船が通れるようにあらかじめ条件として設定されたのだという。そんな素晴らしい情報を得たので、混雑を覚悟で現地に見に行ってきた。
港ではものすごく大勢の観客がうごめいていたが、僕も大小様々な大量の船を目の当たりにして、すっかりテンションが上がってしまった。そしてようやくお目当ての「分断された橋」にたどり着き、その構造や支間割の意味も十分にわかった。こうやって見てみると、とても合理性の高い支間割であることがわかり、この橋が不格好だと思わないようになった。背景がわかれば、印象は変わるな。それにしても5年に一回のイベントのためだけに、桁を台船で移動できるようにしてあるなんて、いろいろバカっぽくて愛しいね。
【追記 2015.8.23】
桁を移動する際のニュース映像やタイムラプス動画を見つけたので、リンクを貼っておくね。コンテナの上に乗せて、台船自体を浮上させているのか。ますますすごいな。