はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

縄文式体育館

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秋田のびっくり建築「秋田市立体育館(愛称:CNAアリーナ★あきた)」の続き。外部も内部もクセが強すぎて、あっという間に感覚が麻痺していく気分を味わった。これは、バーゼル近郊の第2ゲーテアヌムで体験した感覚に近いかもしれない。質的には大きく異なるけど。

ネット上で少し調べてみると、この体育館の基本コンセプトは「縄文首都のオリンピア神殿」らしい。なるほど、原始的なパワーが宿っていると言われると、そんな気もする。でもそのパワーの源泉って、実体は少し脇に置いておいて、見える部分をとりあえず過剰に飾り立てる方向性、つまり、バブル経済的なものなんじゃないかな。これの竣工は1994年だし。

縄文時代に比べて、もちろん社会生活環境は別として、僕ら人類が本質的な進化を遂げているとは思いにくい。この体育館のデザインが人間の原初的な欲望に根ざしていると考えれば、時代とコンセプトとアウトプットがそこそこ一致しているものだと了解できる。のかなあ。いずれにしても、あの時代でなければ実現しなかっただろうねえ。