クルマは移動することが本質だと考えると、それ以外の時は軽視されやすいってことが理解できる。クルマたちを街の中で一時保管する場所は、ひっそりとしがちで、もちろんそれほどコストをかけてもらえない。だから一カ所に集約して何層にも垂直方向に重ねて、スペース効率を極限まで高めることは当然の成り行きだよね。
自走式立体駐車場の外縁部は衝突にも強い構造にする必要があるけれど、壁で空間を閉じてしてしまうと消防設備をつけなければならなくなるので、横方向の開口部が盛大に現れる。もちろん、自動車は階段のような急傾斜を登ることができないから、法令で定められた勾配を越えないスロープが必要になり、その延長は膨大になる。
駐車台数や走行しやすさなどの機能とここら辺の処理のバランスの取り方は、設計における腕の見せ所なんだろうね。斜め具合が縞模様として現れる様は、パーキングスケープの醍醐味のひとつだもんなあ。上の写真はロッテルダムで見かけたビルに併設されている駐車場。マッシブさがいいね。