スペイン高級ワインの産地として有名なリオハ地方は、カンタブリア山脈の南側にある。ビルバオなどの大西洋沿岸のエリアは湿度が高かったのに対して、明らかに乾燥しているように感じた。岩山を背景とするなだらかなに傾斜した高原には見渡す限りブドウ畑が広がっており、日本では見ることができない大陸的な風景が堪能できるよ。
そこには、ザハ・ハディド、フランク・ゲーリー、サンチャゴ・カラトラバなどの著名な建築家が手がけたワイナリー(ボデガ)が点在している。それぞれが車で30分ほどの距離にあるので、手当たり次第に立ち寄ってワイン・ブランディングの一端を垣間見てきた。どこのワイナリーも事前に予約すれば醸造過程を案内してくれる見学ツアーに参加できるようなのだが、到着時間が読めなかったり、ワインそのものへの興味が相対的に少なかったりで、直接現地に行って中を見せてくれないかとお願いするいつもの作戦で臨んだ。
ところが、カラトラバが手がけたユニークな外観のワイナリーは入口が固く閉ざされており、どうしても潜入できなかった。せめて外観だけでもそれなりに写真を撮りたいと思ったのだが、センター付近に止められた白いバンはしばらく待っても一向に移動する気配がなく、どの写真にもバッチリ映り込んでしまった。現地に行く前から少し危惧していたことだが、どうやらシエスタだったようだ。場所や施設にもよるけど、13:00〜16:00頃の時間帯はそれなりに気をつけよう。そしてあっさりあきらめて、シエスタを共有しよう。