はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

建築

グエルさん家

バルセロナでは調子に乗ってガウディ関連施設を6つも見に行ってしまった。まるで建築マニアの建築巡礼だけど、なにしろガウディの卓越した造形力や空間構成力には、建築素人の僕にもひしひしと伝わる凄みが十分にあるので、飽きることはなかった。しかしま…

ゲーテアヌム

「シュタイナー教育」というのが結構流行っているようで、時折噂を耳にする。ウィキペディアには「シュタイナー教育の目指すものは、宇宙にある諸事物の理念を、人間と結びつけて理解し、それによりミクロコスモスとしてのわたしを活き活きとした理念で満た…

時の刻み方

マーストリヒトにある古い教会をリノベーションした書店。教会特有の雰囲気と書店特有の雰囲気が絶妙に調和していて、すごく豊かな気分になれる。3層になった書架にはたっぷり書籍があるし、奥にはカフェもあるし、一日中ここにいたくなる。日本語の本はなさ…

プチサヴォア邸

せっかく車でパリに来たのだからと、建築巡礼を気取って、郊外にあるル・コルビュジエによる超有名物件の「サヴォア邸」に行ってみた。 前日にグーグルで調べた場所にはやや貧相な白いゲートがあって、本当にここが入り口なのかどうか、思わずあたりを見回し…

円筒の夢

パリのシャルルドゴール空港ターミナル1はかなりかっこいい。1974年につくられた円筒形のターミナルビルとそれを取り巻くように配置されたサテライトは、拡張性が全くなかったり効率が悪かったりする面も多々ありそうだが、いま見てもとても斬新。その当時…

復活した博物館

ベルリンの街はどこをどう見ても戦争の傷から逃れられないようになっている。そこに気がつくとどうしても気分が重たくなってしまうが、それを乗り越える強烈なパワーも同時に感じられるので、感情が激しく揺さぶられる。 2009年10月に70年ぶり再開した新博物…

近代デザインの聖地

デザインに関わる者として、この地を訪れないわけにはいかないだろう。そして、教科書と同じ構図の写真を撮らなければならないだろう。そんな義務感を感じながらバウハウス・デッサウを訪問したのだが、案の定がっちりはまって大興奮。なんだかんだで聖地巡…

コルビュジエ団地

もう1ヶ月以上も前の話ではあるのだけど、フランス南部の旅で最後に行ったのが、ル・コルビュジエによるマルセイユのユニテ・ダビタシオン。何年か前に森美術館でやったコルビュジエ展に展示されていた実物大のユニテの部屋にかなり衝撃を受けたので、せっ…

音楽と建築

先週の水曜日、自宅から歩いて10分程度の教会で行われた alva noto + ryuichi sakamoto "s" tour は、想像をはるかに超えてとんでもなく楽しかった。なんで坂本龍一はアムステルダムでもロッテルダムでもなくアイントホーフェンを選んだんだろうね。不思議だ…

かっこよさに胸焼けする駅

カラトラバによる1994年完成のリヨン・サン=テグジュペリTGV駅。せっかく近くまで行くのだからと、ついつい行程に含めてしまった。近くと言ってもガラビとは300kmほど離れているのだが。 この駅も言葉を失うほどすごかった。カラトラバ特有の造形言語とも言…

ひまわりの種がある空間

中国の有名アーティストである艾未未(アイ・ウェイウェイ)が、4月の頭に中国公安当局に拘束された。どうやら脱税の容疑ということらしいのだが、これまで政府を批判してきた人物であるだけに、真相はわからない。先月ロンドンに行ったとき、たまたまラッキ…

船の家

アムステルダムの運河にはたくさんの家が並んでいる。運河沿いではなくて、運河上に。陸上の建物はとても窮屈そうに建っているのに対して、のびのびとした平屋はいかにも快適という印象を受ける。開け放たれたカーテンの向こう側に、その充実した水上生活を…

アムステルダムのゆがみ

アムステルダムの運河を散策したのだけど、なんだか落ち着かない。空気が微妙に揺らいでいると思って目を凝らしてみると、建物が本当にゆがんでた。それも1つや2つではない。街のあちこちの建物がゆがんでいるのだ。なんでなのかな。オランダの大工は適当…

天国へのエスカレーター

カテドラルの回廊のような宗教的な香りがするエスカレーター空間。ここまで完成度の高いハイパーモダン空間を見せつけられると、ちょっと息苦しくなってしまう。というか、それが狙いなのかな。

明快な空間

カラトラバが設計したLiège Guillemins(リエージュ・ギューマンと発音するのか?)駅では何度も驚嘆させられたわけだが、空間構成の明快さにも舌を巻いた。最下層の駅中央を駅前広場と同じレベルでコンコースが貫いており、その上には巨大アーチで囲われた…

カラトラバ初体験

ベルギーのリエージュという街に、Santiago Calatravaが設計したLiège-Guillemins駅を見に行ってきた。いやほんと、すごいったらないよ、いろんな意味で。美しさが過剰にあふれていて、とても現実とは思えない。なんというか、むちゃくちゃうまい贅沢なコー…

ななめのでっぱり

アイントホーフェンで暮らし始めてから、テレビをほとんど見なくなった。当たり前だが、全くわからないオランダ語の放送ばかりなので。このため、家にいるときにはクラシックのFMラジオをつけることが習慣となった。 ところが、結構頻繁に現代音楽がかかって…

キューブハウス

黄色い立方体を斜めにして大量に連ねたこの奇妙な集合住宅は、いくらなんでも自由すぎると思うんだ。机上の計画にとどまらず、駅前の一等地に本当につくってしまうなんて。これがダッチデザインなのかとオランダ人に尋ねてみたら、いやこれはおかしいだろう…

北海のバンジータワー

デン・ハーグにある日本大使館への用事を済ませたあと、トラムに乗ってスヘーフェニンゲンというリゾートエリアに移動した。オランダに来てはじめて観光っぽい行動をとった記念すべき第1号は、北海から突き出る不穏なタワーだ。大使館へ行く前日、ネットで…

水管橋貫通住宅

いったいどうしてこんなことになったんだろう。

風水的見地

ちょっと前に、台湾から来た若者たちを伴って、都内の素敵ポイントを少しだけ巡り歩いた。その道中、浅草橋の高架下建築を眺めているときに、面白い話を聞いた。 これは、彼らにとってはあり得ない住宅なのだそうな。なぜなら、上を通る鉄道により気が流れ出…

韓流高層住宅

韓国は地盤が良くて地震が少ないためか、高層の集合住宅がたくさんある。結構な傾斜地や広大な畑地の中に盛大に林立しているその様子は、日本の常識的なスケール感を大きく逸脱していてかなりびっくりする。ベランダがなくサンルームになっていたり、側面に…

吊橋ホーム

台北の剣潭駅はなかなか派手だ。吊橋に見えるけど、そのケーブルは高架を吊っているのではなく、屋根を吊っている。主塔が斜めになっている上に曲線だったり、ハンガーロープの定着部がやたらでかかったり、かなり大げさな部分が多い。でも、そんなことを気…

室外機パラダイス

台北の剣潭駅前に小さな屋台がびっしり入っている大きな建物がある。士林美食広場という名前だ。内部は台湾B級グルメを死ぬほど堪能できるワンダーランドなので、台北に行かれた際には立ち寄ることをおすすめする。 しかし、本当にすごいのはその屋上の駐車…

有名建築家

台湾の東海大学の中に、路思義教堂というすてきなチャペルがある。4枚のコンクリートシェルを合わせたフォルムは、シャープでダイナミックでセクシー。 誰の設計かと思って尋ねてみたら、ルーブル美術館のガラスのピラミッドや滋賀の山奥にあるMIHO MUSEUM…

京都エスカレーター

これは京都駅で見かけたすてきなエスカレーター。個人的に、細くて長いやつは好み。 デイリーポータルZ「みんなでエスカレーターを見に行った」を見て、あらためてエスカレーターの魅力を教えてもらい、ほのぼのした。エスカレーターツアー行きたかったなぁ。…

ふくろうの巣

千葉駅前の交番。モノレールの桁と橋脚でつくられた巣箱のおかげで、この暴力的なまでの姿かたちがなんとなくおさまって見える。かも。

水上交番

川にも交番があるなんて、知らなかった。隅田川と神田川の合流点をよく見てみると、隅田川水上派出所と書かれた建物が。建物の正面は道路側ではなく川側。パトカーではなく警備艇。海上保安庁ではなく警視庁。こうやって、川の治安を守ってくれているんだね…

黄金の大玉

台湾で台北101という超高層ビルに登ってきた。その高さは500mを超える。7つ積み重ねれば、おおよそ富士山の高さになる。そんだけ高けりゃ、ちょっと風が吹いただけでもゆんらゆんらと揺れるわな。 その対策は、いたってシンプル。ビルの頂上付近に「おもり…

半公共空間

台湾の街は、なかなか面白い。商店街が至るところにあり、それぞれ活気に満ちている。 このことは、建物と街路の関係が大きく関係しているような気がする。建物の1階前面を歩道空間として開放し、『騎楼』と呼ばれるアーケードを形成している。2階以上の階…