はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

2014-03-01から1ヶ月間の記事一覧

作品としての樋門

先日四国に行った際、当然のごとく「豊稔池堰堤」を詣でた。おそらく15年ぶりくらいになると思う(城砦ダム)。相変わらず、地元の農民たちが積み上げたという黒々とした石材と、モルタルから染み出した白華のコントラストが生み出すテクスチャーがたまらな…

贅沢コンボセット

愛媛の別子銅山に行こうと地図を眺めていたら、くるりと円を描くすてきな道がたまたま目に入った。鹿森ダムの上下流の高低差を解消するためのループ橋だ。これは見に行かなければと、迷うことなく立ち寄った。 同様のロケーションは、小樽の朝里ダムや秩父の…

フィリップスのUFO

オランダのアイントホーフェンという街は、大手家電メーカーであるフィリップスの企業城下町である。街のあちこちにフィリップスが絡む建造物があるのだけど、アイントホーフェンのシンボル的存在の「Evoluon」はその代表格。未確認飛行物体のイメージを持つ…

平地コンプレックス

愛媛県宇和島市の「遊子水荷浦(ゆすみずがうら)の段畑」を訪問した。急峻な地形の輪郭が、ジャガイモの葉の緑と石垣との鮮やかなコントラストが生み出すコンターによって可視化されている。これほどインパクトのある景観は、そうそう見られるものではない。…

サイボーグ化した岩盤

アーチダムってのは膨大な水圧をアーチ構造で受けて岩盤に伝えるため、両岸が頑強な谷にしかつくれない。このため、アーチダム鑑賞の際は、ドーム曲面の美しさを愛でるとともに、堤体が突き刺さっている大地のがんばりがひとつの見どころである。 なかでも長…

教会書店

以前、マーストリヒトにある教会をリノベーションした書店(時の刻み方)を見に行った。アムステルダムから東に100kmほどのズウォレの街にも、昨年の夏に教会リノベ書店がオープンしたという情報を入手したので、お正月に立ち寄ってきた。 15世紀に建てられ…

紅白橋梁

北陸自動車道を走行していると、運がよければ目の前を飛行機が横切ることがあるそうだ。実際に本線上には「飛行機通過 わき見注意」という注意喚起の標識も掲げられている。 なぜかというと、高速道路から500mほど南に「富山きときと空港」の滑走路が直交し…

ローマで最初の大空間体験

友人がローマに行くというので、見どころを尋ねられた。僕に尋ねると言うことは、普通の観光地の斜め上を望んでいるのだろうと解釈して、エウル地区(超現実シティ)やローマオリンピックの会場となった地区(オリンピックドーム、ザハ、音楽の橋)などを紹…