御茶ノ水の聖橋から見える風景は、昔から好きだった。思い起こせば中学生の頃から御茶ノ水の楽器店と秋葉原の電気街を目当てに、このあたりをうろついていた。この風景は自分の中に、大都会のイメージとしてしっかり刻まれている。
当時は都市や地形やインフラといった観点を持っていなかったが、改めて見てみると非常に面白い景観が構成されている。ちょうど駿河台の辺縁部にあたり、交通インフラが複雑に積層している様子を見ることができる。下から見てみると、江戸時代に掘られた神田川、戦後につくられた地下鉄丸ノ内線、明治につくられたJR中央線、昭和初期につくられたJR総武線、震災復興橋梁としてつくられた聖橋が重なり合っている。あ、見えないけど神田川の地下には、この中では最新の地下鉄千代田線も通っているね。
ドボク的視点を持った今では、以前にも増してこの風景が好きになった。