はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

建築的堤体


函館の水がめ、笹流ダム。コンクリートが貴重だった大正の頃、材料費を抑えるために、えらく手間がかかるバットレスという構造形式が用いられた。そのため、まるで建築物のファサードような独特の表情が生まれている。でも、もとの姿はそれぞれの部材が細く、やや貧相だったらしい。補修補強によって、このすてきな外観を得たこのダムはえらいと思う。
下流側は公園になっており、地元の人に親しまれている。はるか頭上にある水面と、無邪気に遊ぶ子供たちとのギャップがたまらないね。