はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

エネルギー転換ツアー

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すっかり時間が経ってしまったが、先週頭に福島県いわき市を中心とする一泊二日のモニターツアーを強行した。と言っても、あるモニターツアーに参加させていただくことに便乗して、こちらも裏テーマを勝手に設定してオリジナルのモニターツアーをかぶせてみたのだ。その裏テーマは、エネルギー政策の転換による実際の現象を体験的に見て廻るというもの。もちろん宿泊地に選んだのは、炭鉱業からの転換を実現した「スパリゾートハワイアンズ」だ。

これがなかなか強烈な体験になった。随所に手作り感というか、地域密着感というか、昭和感というか、有り体に言うとやや垢抜けない部分が多々見受けられたのだが、それらがとても心地よいのだ。むかし流行った観光地によくある寒々しさはなく、いまでも高い熱量が通っている雰囲気が感じられる。地元の人にとっては、本当に地域の宝なんだろうなあということが実感できた。個人的にまた行きたいなあと、本気で思っている。

ちなみに行きのバスの中では、2006年に公開された映画「フラガール」を鑑賞した。実話に基づいたフィクションではあるが、クオリティの高い方言やリアリティのある炭鉱労働の描き方もあり、地元の方々の心をグッと掴んだようである。これまで見ていなかったことを少し後悔した。

ハワイアンズですっかり楽しんだ翌日、午前中はいわき炭田の関連施設、午後は地震と津波の被災地でありながら原子力エネルギーの余波を重ねて受け続けている地域を訪問した。このツアーに同行してもらった若者たちは、いったいどのように感じたのだろうか、これからの言動にどのような影響があるのか、あるいはないのか、とても気になるところだな。