はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

2016-07-01から1ヶ月間の記事一覧

海岸の多層防御

昨日は21_21デザインサイトで行われている「土木展」のイベントとして、大山顕さんと「土木を愛する人たち」というタイトルのトークセッションを行った。大山さんのご提案により、展示のテーマにも掲げている「つなぐ、ながす、ほる、ためる」に含まれていな…

未来的避難所

日本海に沿って小樽と稚内を結ぶ「オロロンライン」は、北海道の雄大さを体感できる素晴らしい道路だ。特に道北のサロベツ原野をひた走る直線区間は、日本離れしたスケールをうんざりするほど堪能できる。 もちろん夏の晴れた日のドライブは最高な体験になる…

扇形の市場

1935(昭和10)年に開設された築地市場の建屋は、やんわりとしたカーブによる扇型が特徴だ。かつて最外周部分に敷かれていた鉄道によって決まったレイアウトと形状。建設当時は船と鉄道による輸送が絶対的な要件だったんだね。 汐留の高層ビルから見れば、陸…

擬窓

ミラノのドゥオモにアプローチする通りにて。 心ない落書きは、いくら僕でもそれなりに心が痛む。でも、落書きの消し方が雑すぎてさらに心が痛む。でも、そんな落書きも窓の部分は避けていて少しほっこりする。でも、よく見るとその窓は実物ではなく、ペンキ…

世界遺産へ

世界に点在するコルビュジエの建築群が世界文化遺産に登録されることになった。建築家や建築物の基礎知識に乏しく、世界遺産は旅先のついでに見る程度の認識しかない僕であっても、やはり近代建造物ファンとしてうれしい話だね。 上野の国立西洋美術館の個人…

リーファーコンテナ

機密性や断熱性が高く、温度調整が可能な冷却装置を備えたコンテナを「リーファーコンテナ」と呼ぶ。もちろん冷蔵や冷凍が必要な食料などを運ぶためのもので、その性能はどんどん向上しているらしい。 コンテナの眺めはそもそも魅力的であるが、これはさらに…

女王陛下のロックゲート

海外の土木構造物の情報をどうやって見つけるのかという質問を時々いただく。ネット上でしつこく探すという回答になるわけだが、それなりにコツというかカンが必要になる。ざっくりとは『ヨーロッパのドボクを見に行こう』の「第7章|ドボク旅行のテクニッ…

味わい深い木橋

愛媛県内子町にある山間の小さな集落に、「田丸橋」という屋根付きの木製歩道橋がある。1944(昭和19)年に架けられた木橋なのに、しっかり現役。構造部材の補修補強や屋根のふき直しなどの手が入りつつ、オリジナルの姿がちゃんと維持されている。雨をしの…

歩道橋付き堰

パリ郊外。セーヌ川に合流する少し手前のマルヌ川に、堰とセットになった「サン・モーリス歩道橋」が架かっている。路面全体が太鼓橋のようになっており、全体的にエレガントな雰囲気が漂っている。装飾も多いし。マルク・ミムラムが手がけた橋を見ると、フ…

巧まざる造形

わが家の近所には、小さいながらもゲリラ豪雨によってたまに氾濫してしまう「草野水路」がつくりあげたスリバチ地形がある。最近久しぶりにこのあたりを散歩し、スリバチの底と縁では風の温度や湿度が全く異なることが体感できた。そこに架かる「小仲台新橋…