はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

みなみあいきちゃん


南相木ダムは、色白でプロポーションの良い、若さ溢れるアイドルである。名前もそれっぽいし。しかも、なんだかエキゾチックで謎めいた魅力も漂わせていて、思わず将来が楽しみになる超大物の雰囲気を振りまいているんだよね。
ダム下流は「ウズマク広場」という名前で公園整備されていて、真っ白な堤体やズバッとした洪水吐で囲まれた地球とは思えない摩訶不思議な空間が、僕が訪れたときは完全に貸し切り状態だった。大型連休だったというのに。
そんな南相木ダムをググろうとすると、検索候補に「人体実験」「放射能」「謎」といったワードが出てきて、軽くびびる。どうやら持って生まれたミステリアスな雰囲気の他にも、日航機墜落事故現場となった御巣鷹山のすぐ近くにあり、県境を跨ぐ東電の大規模揚水発電所という特殊性が手伝って、陰謀論が大好きなオカルトマニアから格好の獲物にされてしまっているようなのだ。
デビューしたばかりですでにスキャンダルにまみれてしまったアイドル、僕は影ながら推し続けようと思っている。