先月のニューデリー出張では、毎朝1時間ほどホテルの近所を散歩した。全く観光客などいない住宅地だったので、なんとなく現地の生活を垣間見ることができ、たいへんワクワクする刺激的な時間となった。
そこで衝撃のDIY作工物を見かけた。おそらく大五郎的な大型ペットボトルが埋め殺し型枠として使われている、オリジナルのコンクリート製ボラードだ。呑気に駐車しようと三角コーンのつもりで接触すると、確実に痛い目にあう重量と強度だろう。中心部に埋め込まれているように見えるポールの頂部には、破損を防ぐガードがついた反射材があり、実用性は十分。最下部は富士山の裾野のように安定感のある自然な錐体で広がっており、重力と粘性を感じる仕上がりになっている。2つのボトルの中心軸はずれており、もともと傾斜角ある現場の路面にフレキシブルに対応していることが伺える。
石川初さんたちが中山間地域で見出したFAB-G(ファブじい)たちによるブリコラージュ・スキルが発揮された作品にも似ている気がするのだが、どうにもこうにも緩すぎて、うまい賞賛の仕方がわからない。もう少し掘り下げてみようか。いや、そっとしておこう。
思考としてのランドスケープ 地上学への誘い ―歩くこと、見つけること、育てること
- 作者: 石川初
- 出版社/メーカー: LIXIL出版
- 発売日: 2018/07/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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