はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

2025-10-01から1ヶ月間の記事一覧

曲面の違和感

オランダ最古の都市のひとつと言われるナイメーヘンは、スイスアルプスに端を発してドイツを流れるライン川が分岐したワール川のほとりにある。平地が少ない島国の日本の感覚では少々捉えにくいのだけど、大きな船舶が頻繁に行き交う河床勾配が緩やかな国際…

不知を自覚する機会

昨日は野暮用ついでに、自分の生活圏にはあるものの頻繁には通らない線路沿いの道を歩いた。すでに10年以上も勤務している職場の窓からもしっかり見えるので、無意識的に「よく知っているつもり」になっていた。そして、実際は「知らなかった」という残酷な…

大阪とオランダと

ロッテルダムの「デポ・ボイマンス・ファン・ベーニンゲン」の外観は、大量のミラーパネルを全身にまとったお椀型フォルムという、なんとも異様なもの。湾曲した周辺の風景の映り込みに加えて、高木の屋上緑化も違和感この上ない。ダッチデザインの面目躍如…

バックヤードの展示

この夏のオランダ旅行では、ずっと体験してみたかったロッテルダムの「デポ・ボイマンス・ファン・ベーニンゲン」を訪問した。2021年にオープンしたMVRDVの設計による「見せる収蔵庫」だ。周囲の風景を反射するビカビカの巨大お椀という異様な外観からしてダ…

ガチ機能主義

先日の出張時、ブルータリズム建築のような圧倒的な存在感を放つ消防署の訓練施設が目に飛び込み、思わず車を止めた。これまでも消防署の前を通るたびにチラ見していたものの、じっくり眺めたことはなかったように思う。 あらためて観察してみると、あくまで…

くもで網

昨日まで有明海に面する福岡県柳川市に取材に行っていた。街中の見るべきものはあらかた見たということで、飛行機の時間を逆算しながら、有明海の干拓の歴史をトレースするドライブを敢行した。 現地に行ってみると、緩やかな扇状のカーブを描くように集落が…