はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

フーチング


ダムの堤体を地盤に定着させる部分を「フーチング」と呼ぶ。その多くは階段状になっており、堤体のマッシブなコンクリート面や岩盤の有機的なテクスチャーとのコントラストが面白く、個人的にはとても好きな部位のひとつである。
橋脚や擁壁などでも基礎の地盤に接する底版部を「フーチング」と呼ぶので、その名称にはなんの違和感もなかったはずなんだけど、字面をじっくり眺めていると、まるでゲシュタルト崩壊を起こしたかのようにどんどん意味がわからなくなってきた。「フーチング」ってなによ、ちょっとかわいらしい響きじゃないか、でもその姿はぜんぜんかわいらしくないぞ、つまりロシアの「プーチン」みたいなもんか。
そこでググってみたところ、スペルは「footing」、つまり「足-ing」ということで、結構単純な話だった。でも「フッティング」じゃないんだね。