はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

大阪とオランダと

ロッテルダムの「デポ・ボイマンス・ファン・ベーニンゲン」の外観は、大量のミラーパネルを全身にまとったお椀型フォルムという、なんとも異様なもの。湾曲した周辺の風景の映り込みに加えて、高木の屋上緑化も違和感この上ない。ダッチデザインの面目躍如たる、ユニークさとエグさが最高レベルに達したコンセプチュアルな建築だ。

さらに、先日の記事で触れた移民美術館「FENIX」の上にも、これまたとてつもなく異様な鏡面仕上げの螺旋スロープおよび展望台が鎮座している。エグさにフォーカスするなら、こちらの方がよりすごいかもしれない。鏡面仕上げの建築は、近年の流行りなんだろうかね。いずれにしても鏡面仕上げという点が、僕にとって重要な要素だった。

というのも、先日終了してしまった大阪万博における落合陽一氏の鏡面仕上げ万博パビリオン「null2(ヌルヌル)」を体験したかったから。それを早々にあきらめてしまった悔しさから。その結果、海外の疑似体験ができる万博という場に行かない代わりに、海外を直接体験するという暴挙に出たわけだ。その象徴が、鏡面仕上げ建築というわけだ。

大阪万博に行くかどうかは、何度も自問自答した。当然のことながら行きたい気持ちは強くあったのだが、どうしても混雑、行列、事前予約、猛暑という、僕にとって心底つらい体験になるだろう複数の要因が大きなブレーキとなった。20年前に愛・地球博で味わった苦行を思い出してしまい、全身が拒否反応に支配された。そして、行動しない言い訳を自分に対して重ね続けるのも不健全なので、いっそのことオランダに行ってしまえと決心を固めて、6月中頃に航空券を購入した。

結果的に今回のオランダ旅行はとても充実したものになった。だから、大阪万博に行かなかったことについては、それほど後悔していない。と思う。たぶん。