はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

ハイブリッド・パラダイス

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何度も言うけど、僕はなぜか大阪と縁遠い。先週末は、昨年の12月から数えると3回目の訪問だったので、珍しく頻繁に訪れていることになる。しかし、打合せやらイベントやら雨やらで、ろくにまち歩きやドボク鑑賞ができないもどかしさは相変わらず。今回の訪問も、打合せ前の1時間程度しか時間が取れなかった。

そのわずかな隙間に訪問したのが、中津の高架下。なんかもう、鉄道高架と道路高架と高架下道路と占有利用の高架下建築群が渾然一体になって、すごいことになっている(いた)空間だ。ずいぶん前にその素晴らしさを大山顕さんから伺っていたのだけど(デイリーポータルZ:中津の高架下がすごい)、なぜか足を運んでいなかった。まごまごしているうちに、耐震補強工事に伴って様相が大きく変わってきてしまった。ここら辺のややこしい経緯は革洋同さんの記事に詳細にまとめられているので、興味がある方は気合いを入れてご覧いただきたい(骨まで大洋ファン:大阪の中津高架下建築に係る現状のまとめ(その1)(その2)(その3))。

もうホントにぬかった。縁遠いなんて言っている場合じゃなく、危険な香りがする物件の訪問を先延ばしにしてしまったことは、素直に反省しよう。まあ今回、かつての痕跡と工事の進捗状況をチラ見できたことは良かったけど。

そんなわけで今回は、大阪の文化のひとつには「お好み焼き」に象徴されるような「混ぜる」行為があることを確信した。高架鉄道や高架道路などを複雑に絡ませる計画から、高架下空間のフリーダムな利用という部分を経て、コンクリート桁の表面を鋼板で完全に覆い隠した細部まで、あらゆるフェーズで「混ぜる」行為を貫いているんだもの。この混沌は、感動的だったよ。大阪すげえ。