はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

水の砦の現在

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オランダは海抜より低い土地が国土の4分の1もの面積を占めているらしい(どの説が本当なのか未確認)。この環境のために発達した特異な防衛システムが「ウォーターライン」というもの。いざというときに水門を開放して土地を水浸しにすることで外敵の侵入を防ぐというのだ。なんともオランダらしい大胆な仕組み。

その施設に付帯して、爆撃にも耐えられるコンクリート製の要塞「ブンカー」が線状に点在している。そのうちのひとつがとんでもないことになっていた。中央がカッターでぶった切られて、壮大なランドスケープをかたちづくる彫刻作品になっているのだ。切られた溝や桟橋による軸線の先が高速道路ってのがまたいいんだよね。

そもそも人為でつくられた土地に、ものすごい存在感や重量感を放つ軍事施設が挿入され、それを全く別の意図を持って加工するという、ものすごく多層的な人工景観。実はこれを見ることが今回の旅の主要な目的のひとつ。あらためてオランダ人のオランダ人たる所以と表象行為を目の当たりにすることができたよ。

【追記】
オランダから帰国した後に、たまたまこの動画を見てしまい、今回の旅を決意したってわけだ。


RAAAF | Atelier de Lyon: Bunker 599 [the making of] - YouTube