はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

山岳教会

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ヴッパータール空中鉄道を訪れるついでに、周辺エリアで見ておきたいものがいくつかあった。そのうちのひとつが、1972年につくられたゴットフリート・ベームによるマリエンドーム・ネヴィゲス(Mariendom Neviges)という巡礼教会。記憶が定かではないけれど、おそらくブルータリズム建築についてネットで探索していた時にヒットしたんだと思う。そりゃ気になっちゃうよね、アルプス山脈のようなエグい造形のコンクリート屋根や、円筒が連なったような宿泊施設らしき建物の壁面は。

どの電車に乗って、どうやって乗り換えて、どんなチケットを買うのかをちゃんと調べていなかったので、デュッセルドルフ中央駅の窓口でしっかり教えてもらい、ヴッパータール空中鉄道を含めて一日乗り放題になるチケット(Tages TicketのゾーンCだったかな)を購入した。そして、RE13に乗ってヴッパータール・フォーヴィンケル駅でS9に乗り換え、ネヴィゲスという街へ。小さい街の小さい駅に面食らったが、ホームから目的の教会が見えた。道に迷わなくて済むのは何よりだね。

この日は朝から雨が降っていたので気分が少々後ろ向きだったのだけど、巡礼教会は想像以上に凄まじい迫力で、行ってよかったと素直に思った。この造形を好む人は少ないかもしれないが、クセになる人はそこそこいるんじゃないかな。僕は早速がっちりはまった。その日の晩にゴットフリート・ベームのことをネットで調べてみたら、次の訪問地のケルンにもベームが手がけた教会があることを知るに至り、うっかり訪問しちゃったし。

かわいらしいネヴィゲスの街の中からひょっこり見えるギザギザ屋根の写真を撮っていたら、前を横切ろうとした男性がわざわざ立ち止まってくれたので、勢い余って少し世間話をした。どうやら彼はこの建物がお気に召さないらしく、長い時間はいられない空間だということを、少し困った顔をしながら話してくれた。地元の方に生々しい印象を伺うことができたのはとてもラッキーだね。