はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

絶滅危惧種

街中の自販機の横にちょこんと佇んでいたかわいい子たちが、急速に姿を消している。そう、リサイクルボックスたちのことだ。彼らを愛でてきた僕の肌感では、2〜3年前からその傾向が顕著になってきた気がする。つい先日は、駐車場の敷地に道路側を向いて設置されている自販機の奥に、肩を寄せ合いながら身を潜める3人の後ろ姿を目撃した。なんとも悲しいことに、リサイクルボックスたちは存在感を消そうとするばかりか、顔を見せることなくその役目を放棄しているのだ。

こんな状況になっているのも、リサイクルボックスを「ゴミ箱」として扱う輩が後を絶たないからだ。一般ゴミや飲み残しなどの異物が混入されることで管理者やリサイクル業者の手間が爆増し、ペットボトルのリサイクルにかかる金銭的時間的コストが増加してしまっているのだ。まったく意識が低いったらありゃしない。

そんな文句を言ってみたものの、これはいわゆる「デザインの敗北」の事例なのかもしれない。そもそも飲料を飲み終えたペットボトルは素材ではなくゴミとして認識することが一般的だろうし、低い位置にある箱に物体を投入する動作がゴミを捨てる行為に直結してしまう。つまり、現代人にとってリサイクルボックスにゴミを投入することは、無意識的に促される自然な行為なのかもしれないのだ。

姿を消しつつある彼らと入れ替わるように、最近では下向きの投入口を持つオレンジ色のボディのリサイクルボックスが増殖している。そこには「ごみ箱ではありません リサイクルBOXです」のステッカーが貼られている。その効果には期待したいところだが、唯一の決定的な問題点は、かわいくないことだ。あの姿は、なかなか愛でることができないんだよな。