はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

コンクリートトラスアーチ


ミラノ市内のナヴィリオ運河に架かる歩道橋。名前はPonte del Dazioのようだが、まだ確証は得られていない。コンクリートのトラスはかなりごつくて、雰囲気の良い運河の中において、過剰なまでの存在感を放っている。それでも部材の角度に微妙な変化をつけていたり端部のおさまりの造形に気を配っていたりと、造形面ではなかなか魅力的である。
コンクリートという素材とトラスという構造の親和性はあまり高くはないとは思うけど、はまったらすばらしい魅力を発揮する組み合わせでもあると思う。おそらく、もう少し大きなスケールの場合に使うのが良さそうだね。この橋のスケールにはちょっと適していないと思う。
そうそう、ミラノもかつては縦横に運河が張り巡らされていたらしいのだけど、東京と同じように今はほとんど埋め立てられていて、このような運河の風景が見られるのはごくわずかなエリアしかない。イタリア人がなにを残してなにを消し去っているのか、その境界はよくわからないな。